LIFEHACK STREET 小山龍介ブログ

小山龍介公式ブログ

2015-01-01から1年間の記事一覧

脱規模の経営のためのトヨタ生産方式を仕事術に応用する

トヨタ生産方式はリーン生産方式と呼ばれるように、リーン=無駄のない生産と捉えられがちだけれども(それはそれでとても正しい)、一方で大野耐一の著書『トヨタ生産方式』の副題である「脱規模の経営を目指して」というところは、見逃されがちだと思う。…

結果にこだわるべきか、プロセスにこだわるべきか

浅田真央選手の復帰のニュースを受けて、こんな記事が載っていました。 www.nikkei.com この記事の中で振付師のジェフリー・バトルがこんなコメントをしています。 「必ずしも結果に固執しない。前向きで、自分の演技の方が重要なんだ。今のフィギュア界にな…

民主党は集団的自衛権行使を容認していないのか

SEALDsのウェブサイトを見ると、集団的自衛権を容認する方向性について反対の立場ということが読み取れる。 現政権は2年以内の憲法改正を掲げるとともに、集団的自衛権の行使容認、武器輸出政策の緩和、日米新ガイドライン改定など、これまでの安全保障政策…

日本の平和を維持してきた沖縄の負担

戦力放棄、このまま戦力を持たない日本という空想は、ひとつは自衛隊の存在によって否定されるけれども、もうひとつはなんといっても米軍基地である。 集団的自衛権を認める側も認めない側も、等しく向き合うべき最大のイシューは、沖縄であると思う。 http:…

自分を信長の野望に登場する武将に例えると

僕の自己認識は、何度か書いているけれど、信長の野望とかで地方統一には結構活用できるが、全国に向けて進出をし始めたときにはあまり使えず、すでに支配した地域の留守番を頼むような武将。パラメーターが70前後で、途中からは90前後の超一流とは違う生き…

内閣支持率が思ったほど下がらない!

いくつか世論調査がでているけれど、あまり下がっていない。「到底ゆるされない暴挙」の結果を受けても、40%前後が維持できている。この数字を見る限りは、到底許されている感じ。 www.yomiuri.co.jp www.sankei.com news.tv-asahi.co.jp ちなみに、歴代の内…

中国の核心的利益としての尖閣諸島

核心的利益(かくしんてきりえき)とは、中華人民共和国が、自国の本質的な利益に直結すると見なし、自国を維持するために必要と見なす最重要の事柄、自国にとっての利益のこと。中国語表記では核心利益。 核心的利益 - Wikipedia 尖閣諸島もそこに含まれる…

SEALDsを煽る大人の罪

正直、SEALDsを持ち上げ、煽る大人には、ちょっと引いてしまうところがある。行動のもたらす結果について理解するためには、知性が必要である。「戦争なくせ」と叫んで戦争がなくなるのであればいいけれど、現実はそうではない。 SEALDsの動きは、軽視しては…

次回はちゃんと選挙に行こう!

昨年7月、閣議決定で憲法解釈を変えて集団的自衛権を容認した。そのなかでこのような記述がある。法案の作成作業を開始し、国会に提出すると明言している。今回の安保法制は、この流れを受けたものである。 今後の国内法整備の進め方 これらの活動を自衛隊が…

新規事業立ち上げの3つの課題を、熱力学の視点で捉え直してみるテスト

ビジネスが立ち上がるとき、当初は混沌とした状態から始まる。その混沌とした状態から秩序が生まれ、ビジネスモデルと呼べるようなものができあがる。そのときには、動的な自己組織化の論理が働いている。 プリゴジンは散逸構造を発見した。散逸構造とは、一…

クラウドは〈場〉になりうるのか

情報が蓄積され、それがリアルタイムにアクセスされる情報インフラとしてのクラウドは、もちろんFace to Faceで接するリアルの〈場〉に比べたら、いろいろと足りないところがある。一番は、時間感覚ではないか。ツイッターが典型的だけれども、つねに〈いま…

iPad Proで作業がより直感的になる

Appleの今回の発表の目玉は、なんといってもiPad Proだろう。大型の12.9インチのiPadは、モバイルPCとまさにガチンコの勝負となる製品である。 そしてこの試みをおこなうのは、(iPodやiPad、大画面iPhoneがそうであったように)Appleが最初ではない。先行す…

Apple Watchの進化についての新情報はあまりなし

今回9/9のAppleの発表の中で、実は一番気になっていたのが、Apple Watch。すでにWWDC2015でも告知されていたように、watchOS2へとバージョンアップする。今回はその点については、あまり新しい情報はなく(まあ、当然か)、ちょっと肩透かし。ただ、リリース…

SEALDsを批判しても何も生まれないと思う

結論を言えば、擁護もしないし、かといって批判するのも微妙だと思う。 正直なところをいえば、SEALDsにはまったく共感を覚えない。現実的な安全保障の話から言えば、アメリカとの集団的自衛権がなければ成立しない。アメリカ抜きの安全保障の話(自主なのか…

リアルとファントムの関係を結ぶ能と、中間状態に流れる時間

能というのは、あの世とこの世の境界があいまいになる、スピリチュアルな舞台芸術である。このスピリチュアルな空間を作り出すのに、もちろん能楽師の在り方、演じ方ももちろん重要だが、その舞台設計にも細部にわたって配慮がなされている。 その舞台だから…

統制された縄文的意匠

縄文は荒々しく、弥生は整理されているというふうに理解していると、たとえば能舞台のようにシンプルなものは、すべて弥生ということになってしまう。しかし実際に能舞台で起こっている現象は、亡霊による怨念であり、その鎮魂である。おどろおどろしいエネ…

建築における身体と有機性

アリストテレスにとって「身体」とは、有機的なつながりであり、緊密に結合した要素からなる統一体だった。それは交換可能なパーツからなる「機械」とは異なる、必然性を持ったつながりである。一部分でも破損すると全体が台無しになってしまうものであり、…

「まるやま組のアエノコト」をめぐる関係性と時間のデザイン【追記あり】

※当初、アネモメトリ上の画像を引用していましたが、著作権者の方より無断使用とのご指摘をいただき、削除いたしました。引用に必要な出所が示されておらず、不適切なものでした。以下にあらためて引用に必要な要件を記述しておきたいと思います。(文章の引…

「専門家=利権構造」という決め付けから逃れるために

専門家と「一般国民」との対立を煽る人がいるけれど、それは本当に建設的な方法なんだろうかと思う。どんな領域でも、普通の人には分からないことがあるのは当然だ。もちろんそれをわかるように説明する義務も専門家は負う。しかし、今回はどんなに説明して…

問題を切り分けないと、次のエンブレム選定ももめるよ……

エンブレムがこれで新しく選定し直される。最終案に残った原研哉さんも葛西薫さんもすばらしいデザイナーだし、ぜひデザインを見てみたい。けれどこの機会にちゃんと問題を切り分けておかないと、また問題になると思う。 1)「コネ」なんてなくすことはでき…

「オリジナリティ」のないオリンピックエンブレムでなにが悪いのか

デュシャンは便器に署名しただけの「泉」という作品を発表した。ここに、他と違うものであるという意味での「オリジナリティ」はない。既成品をつかったこうした作品をデュシャンは「レディメイド」と呼んだ。オリジナリティを絶対とする常識への挑戦がそこ…

優れたビジネスプランに欠かせない三つの要素 ー平成27年度EDGEプログラム(東京農工大)講評

東京農工大企業実践イノベーションリーダー育成プログラムにおける第2回エコシステム・フォーラムでの講評です。思い出しながらさくっと書き起こしてみます。 みなさん、おつかれさまでした。私からは三つコメントしたいと思います。 まずひとつは、ビジネ…

知性主義と反知性主義をどう橋渡しするかーオリンピックのエンブレム問題(4)

そもそもの「目的」に立ち戻る 今回の騒動には既視感を覚える。広告代理店に努めていたときに、よくよく起こりそうなことでもあるのだ。僕は営業部門で数年働いたが、そのときにもエンブレム問題のミニチュア版のようなできごとも、なくはなかった。振り返っ…

境界と越境 京都駅ビルと能舞台の比較

自分が体験したことのある空間のうちで、特別だと思う空間を二つ取り上げてください。そして、それぞれの空間に講義のような意味づけを行い、その2つの意味を比較することで見出される問題意識について論じてください。(1200字程度) 境界と越境 京都駅は…

観客に態度決定の契機をもたらすドキュメンタリー性と偶然性

芸術史講義(近現代4)1~15章を通じて学んだなかからテーマ(作家、作品、事象など)をふたつ選び、それぞれの特質と相互の比較・関連について、あわせて1200字程度で述べてください。 初期の映画が、リュミエール兄弟のロケーション撮影とメリエスのスタジ…

エンブレムにまつわる、不寛容な「正義感」への疑問

不正が行われたという話を聞くと、フルボッコするこの風潮は、悪意ではなく正義感に支えられている。だからややこしい。叩く彼らは「正しい」のであり、叩かれるアートディレクターは「正しくない」のである。「正しくない」アートディレクターの「正しくな…

オリンピックエンブレム問題にまつわる反知性主義

オリンピックのエンブレムとベルギーの劇場のロゴは、「庶民感覚で見れば同じ」というような反論がよく聞かれる。佐野研二郎氏が説明したように、そもそものコンセプトが違うことを理解した上で、僕自身はその指摘は、「そう見えてもしかたがないよな」と思…

縄文人「土蜘蛛」の怨念とその現代的意味

11月29日に演じる予定の能「土蜘」に、いろいろな因縁を感じる。 「土蜘蛛」とは、もともとヤマト王朝に従わなかった氏族に付けられた蔑称であり、滅ぼされたあとも怨霊となって都の人々を脅かした御霊である。もともと日本に住んでいたということであれば、…

オリンピックのエンブレムを取り下げるべきではない

オリンピックのエンブレムは、3つの問題が絡んでいる。 ひとつは、「気に入らない」というもの。これ多くの人が感じているみたいなんだけど、でもこれは好き嫌いの問題。僕は好き。結果的に、このロゴを多くの人が「ああ、東京オリンピックの」と認識するよ…

ブルームコンセプトで実施している事業アイデア創出のプロセス

技術はあるけれどどのようにビジネス展開していいかわからない、という相談をよく受けます。こういう相談の場合、相談元は研究所であることが多いですね。本来は企業の中の企画部門と連携すればよいのですが、企画部門は現状の商品ラインの企画で忙しく、な…