LIFEHACK STREET 小山龍介ブログ

小山龍介公式ブログ

民主党は集団的自衛権行使を容認していないのか

SEALDsのウェブサイトを見ると、集団的自衛権を容認する方向性について反対の立場ということが読み取れる。

 現政権は2年以内の憲法改正を掲げるとともに、集団的自衛権の行使容認、武器輸出政策の緩和、日米新ガイドライン改定など、これまでの安全保障政策の大幅な転換を進めています。(中略)こうした外交・安全保障政策は、国際連合を中心とした戦争違法化の流れに逆行するものであり、日本に対する国際社会からの信頼を失うきっかけになりかねません。

www.sealds.com

 

一方、SEALDsと連携強化を打ち出した民主党は「安倍政権が進める集団的自衛権行使は反対」という立場を取る。巧妙な言い方で「安倍政権が進める」もののでなければ、集団的自衛権行使そのものには賛成しうるようにも見える。

www.dpj.or.jp

事実、解釈変更ではなく改憲による集団的自衛権を検討し、月刊誌に私案として発表している。(朝日新聞の記事はウェブから消えているので、引用したサイトより引用)

【佐藤徳仁】民主党の枝野幸男・憲法総合調査会長が憲法9条の改正案をまとめた。武力行使に歯止めをかける自衛権や国際貢献の要件を記し、必要最小限の集団的自衛権行使を認める。海江田万里代表は同案をたたき台に議論を進める意向で、安倍政権が憲法解釈変更による行使容認へ環境整備を進めるなか、解釈変更を阻止する立場から早急に対案を打ち出した。

 10日発売の「月刊文芸春秋」に掲載される。この中で枝野氏は集団的自衛権行使の解釈変更を「立憲主義を否定し、許されない」と批判。必要最小限の自衛権を明文化して武力行使に歯止めをかける改憲として「第三の道」とした。

 改正案では「専守防衛に変化がないことを示す」ため現行9条は変えず、「9条の2、3」を追加し、国会承認も明記。「9条の2」で歴代内閣が憲法解釈で自衛権発動の要件としてきた(1)我が国への急迫不正の侵害(2)他の適当な手段がない(3)必要最小限度の実力行使、を記した。

 その上で、集団的自衛権について「国際法規に基づき我が国の安全を守るために行動している他国の部隊」への武力攻撃に対し「必要最小限の範囲内」での行使を容認する。「9条の3」で国際貢献活動の要件として国際社会の「正当かつ明確な意思決定」を要求。国連平和維持活動(PKO)などでの実力行使は「9条の2」に基づく自衛権発動に限るとした。

民主党が憲法9条改正へ素案 集団的自衛権を明文化 朝日新聞 ダイナモ

 

今回の「安倍政権が進める」という表現については、2015年4月にまとめた見解ででてきたもので、党内の保守とリベラルが納得できる、いわば玉虫色の解決といえる。記事を読む限り、民主党内でも保守は容認し、リベラルは容認していない。

保守系議員は原案にはなかった「安倍政権が進める」との表現が加わったことを一定の成果と位置づける。別の政権になった場合を念頭に「将来的な行使容認の余地を残せた」(中堅)というわけだ。

www.sankei.com