2015-08-01から1ヶ月間の記事一覧
デュシャンは便器に署名しただけの「泉」という作品を発表した。ここに、他と違うものであるという意味での「オリジナリティ」はない。既成品をつかったこうした作品をデュシャンは「レディメイド」と呼んだ。オリジナリティを絶対とする常識への挑戦がそこ…
東京農工大企業実践イノベーションリーダー育成プログラムにおける第2回エコシステム・フォーラムでの講評です。思い出しながらさくっと書き起こしてみます。 みなさん、おつかれさまでした。私からは三つコメントしたいと思います。 まずひとつは、ビジネ…
そもそもの「目的」に立ち戻る 今回の騒動には既視感を覚える。広告代理店に努めていたときに、よくよく起こりそうなことでもあるのだ。僕は営業部門で数年働いたが、そのときにもエンブレム問題のミニチュア版のようなできごとも、なくはなかった。振り返っ…
自分が体験したことのある空間のうちで、特別だと思う空間を二つ取り上げてください。そして、それぞれの空間に講義のような意味づけを行い、その2つの意味を比較することで見出される問題意識について論じてください。(1200字程度) 境界と越境 京都駅は…
芸術史講義(近現代4)1~15章を通じて学んだなかからテーマ(作家、作品、事象など)をふたつ選び、それぞれの特質と相互の比較・関連について、あわせて1200字程度で述べてください。 初期の映画が、リュミエール兄弟のロケーション撮影とメリエスのスタジ…
不正が行われたという話を聞くと、フルボッコするこの風潮は、悪意ではなく正義感に支えられている。だからややこしい。叩く彼らは「正しい」のであり、叩かれるアートディレクターは「正しくない」のである。「正しくない」アートディレクターの「正しくな…
オリンピックのエンブレムとベルギーの劇場のロゴは、「庶民感覚で見れば同じ」というような反論がよく聞かれる。佐野研二郎氏が説明したように、そもそものコンセプトが違うことを理解した上で、僕自身はその指摘は、「そう見えてもしかたがないよな」と思…
11月29日に演じる予定の能「土蜘」に、いろいろな因縁を感じる。 「土蜘蛛」とは、もともとヤマト王朝に従わなかった氏族に付けられた蔑称であり、滅ぼされたあとも怨霊となって都の人々を脅かした御霊である。もともと日本に住んでいたということであれば、…
オリンピックのエンブレムは、3つの問題が絡んでいる。 ひとつは、「気に入らない」というもの。これ多くの人が感じているみたいなんだけど、でもこれは好き嫌いの問題。僕は好き。結果的に、このロゴを多くの人が「ああ、東京オリンピックの」と認識するよ…
技術はあるけれどどのようにビジネス展開していいかわからない、という相談をよく受けます。こういう相談の場合、相談元は研究所であることが多いですね。本来は企業の中の企画部門と連携すればよいのですが、企画部門は現状の商品ラインの企画で忙しく、な…
ビジネスモデルキャンバスを描くとき、顧客セグメントについて、どのくらい細かいセグメントにすればよいのか、という質問を受けることがある。これはケースバイケースで、ビジネスの全体像を捉えるのであればおおざっぱでも構わないし、独自の価値提案を構…
オントロジーとしてのビジネスモデルキャンバス ビジネスモデルキャンバスは、ビジネスモデルを構成する9つの要素を、相互に関連づけながら全体像を描くことができるツールである。ここで重要なことは、場所に意味をもさせている点と、これで全体が表現され…
ある企業で、未来の事業を構想するプロジェクトに関わり、でてきたアイデアにコメントをすることになった。このとき、今持っている最新の情報がまったく役立たないことがわかった。最新のシリコンバレー情報だって、未来の事業からすれば過去のことだ。今す…
コンセプトメイキングは、そこに起こっている現象の本質をすくい取る作業。いいコンセプトをつくるには、現象そのものが興味深い豊かさをもっていることもさることながら、その豊かさを感じ取る力も試される。 縄文文化に興味を持つのも、日本におけるさまざ…
「生命力」というのは、生命単体の力ではなく、単体の生命を維持するためにつなgる関係性の豊かさによって決まる。このことは自然界をイメージすれば理解しやすいだろう。森の動植物は、豊かな森の環境によって生かされている。いかに力を持ったライオンで…