LIFEHACK STREET 小山龍介ブログ

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【音声】『能が刺激する創造的思考』

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2019年3月27日に実施した『能が刺激する創造的思考』の講演音声です。 soundcloud.com jcbase.net

『アリー/スター誕生』にあって、『ボヘミアン・ラプソディ』にないもの

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『ボヘミアン・ラプソディ』が絶賛されているけれど、僕はあまりのめりこめなかった。編集もたくみで、飽きさせない映画だった。また役者もよかったし、バンドメンバーのキャラクターもよく表現されていて、人間ドラマとしても楽しめた。けれど、なんだか感…

地中美術館の「能舞台」的ありかた

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地中美術館は地中の中に埋められた美術館であり、外観がすっかり隠されている。上空からであればその構造は確認できるが、地上からだとこうした構造は体感できない。地下に潜り込むと、まるで迷路の中に迷い込んだかのように、方向感覚を失ってしまう。あえ…

小野寺修二さん『竹取』は、「現代能」の可能性を見せてくれた

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小野寺修二さんの『竹取』を見た。これがすごかった! 現代能楽集Ⅸ『竹取』 | 主催 | 世田谷パブリックシアター 現代能楽集「竹取」小野寺修二×野村萬斎インタビュー 現代能楽集というシリーズで、野田秀樹の『Diver』なんかもこのシリーズで行われているん…

語り直しを誘発する物語 〜物語によって隠されていたもの〜

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作品はさまざまなかたちで解説され、特定の文脈に沿った解釈へと誘導されていく。たとえば、長谷川等伯の松林図屏風などで行われる「宗教的主題が消えて、対象そのものの魅力が描かれるようになる」という物語は、水墨画においても、また西洋絵画においても…

印象派の前後をたどるービュールレ・コレクション

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ビュールレ・コレクションは、印象は前後がしっかり収集されていて、非常にわかりやすい。個人的に、初めて見た展覧会のテーマが高校生の時にみた「フォーヴィズム」であったこともあって、大胆な色彩を操るフォーヴィズムが、印象派とキュビズムの間にどの…

ロジックに収まりきらない身体ー池大雅の身体的リズムと空間

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京都国立博物館で行われている池大雅展。貪欲にさまざまな手法を取り入れながら、自らの作風を打ち立てていくプロセスが分かる、初期から晩年まで幅広く作品を集めた展覧会。 www.kyohaku.go.jp その手法の中でも「指墨画」と呼ばれる、筆ではなく指で描いた…

ドキュメンタリーのふたつの作法ー小野規と森田具海のアプローチを巡って(KYOTOGRAPHIE2018)

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堀川御池ギャラリーでは、二人のドキュメンタリー手法の写真が展示されているが、それぞれ対象的である。 www.kyotographie.jp 小野規(おのただし)は、スーパー堤防と呼ばれる東北沿岸に建築されている大型の堤防を撮影する。 ここにはもちろん、堤防に対…

ローレン・グリーンフィールド『GENERATION WEALTH(富の世代)』(KYOTOGRAPHIE2018)

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『KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭』は、京都のまちなかのさまざまな会場で実施されている写真展。会場のしつらえも含めて、写真を楽しむことができる。 www.kyotographie.jp 京都新聞本社ビル印刷工場跡(B1F)では、ローレン・グリーンフィールドによる「GENE…

伝統反転の時代

現代は伝統反転の時代である。革新と呼ばれていた勢力がむしろその教条に囚われる一方、保守は常識(ポリティカル・コレクトネス)を覆そうとするラディカルな勢力に見られるようになった。保守的な革新と革新的な保守というダブルバインドに身動きが取れな…

泊まれる公園「INN THE PARK」の可能性

2017年に沼津にできた「INN THE PARK」という、公園内に宿泊できる施設。もともと少年自然の家だったところをリノベーションしたもの。R不動産などを手がけてきた馬場正尊さんのOpen Aが手がけている目玉は、すでにあった宿泊棟に加えて設置された、公園の中…

時を超えて届いた言葉たち 〜小沢健二「アルペジオ」

岡崎京子に宛てた手紙のような佳作は、すごく勇気付けられる。若くしてブレイクしたときの魔法のトンネルを抜けた先で、「君と僕の言葉を愛す人がいる」。そして「汚れた川は、再生の海へと届く」。この「届く」の言葉は、言葉が「届く」というところにもか…

バリュークリエイションからセンスメーキングへ

アートの営みは、一見無意味なものに意味を見出していくセンスメーキングにある。その意味には、価格はつかない。便益で測ることができないからだ。一方、価値をつくりだす作業は、その価値に見合った価格が想定できる。費用対効果を測ることができる作業だ…

八百万の神モデルのブランド構築プロセス

昨日は「日本遺産ブランド推進事業」委託業務の提案書の提出日。こうした提案をつくる手順を振り返ってみた。(ここで書くことは団体の総意ではなく、個人的な見解であることを付記しておきたい。) 「ブランド推進」と名付けられた意味 今回のブランド推進…

像を結ぶ、ということ(「#見えなくても自撮りして3Dにしてみた展」)

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松濤のギャラリーTOMで行われていた、手で触れられる立体化された写真の展示「#見えなくても自撮りして3Dにしてみた展」。ドコモ3Dセルフィープロジェクトの一環として行われている展覧会である。 ドコモの3Dの特殊加工技術によって、普通の自撮り写真が立…

伝統の破壊か拡張か

渋谷ヒカリエで、日本の地域ブランドのイベントが行われている。 8/02/CUBE/JAPAN BRAND FESTIVAL 2018 日本遺産プロデューサーとしてご縁をいただいた篠山市も出展しており、モデレーターとして登壇することになった。その待ち時間にこのブログを書いている…