LIFEHACK STREET 小山龍介ブログ

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バリュークリエイションからセンスメーキングへ

アートの営みは、一見無意味なものに意味を見出していくセンスメーキングにある。その意味には、価格はつかない。便益で測ることができないからだ。一方、価値をつくりだす作業は、その価値に見合った価格が想定できる。費用対効果を測ることができる作業だ。

社会に価値を提供する会社、というのが20世紀型だとすると(それはそれで、とても大切な考え方だが)、社会にあるものに意味を見出していく会社、というのが21世紀型ではないだろうか。

そしてそれは、人材に対する考え方にも反映する。人を価値で測るやり方ではなく、人の存在する意味を見出していくやり方。21世紀型企業は、「障がい者も価値を生み出せる」という言い方はしないだろう。「障がい者が会社に存在することにこそ意味があるのだ」というだろう。「女性も男性に負けず劣らず、成果をあげる」というのではなく、「女性は女性、男性は男性、セクシャルマイノリティはマイノリティで、存在そのものに意味がある」というだろう。

震災に対する対処の仕方も変わってくる。「◯◯◯億円の被害」というのではなく、震災が起こったことの意味を問うだろう。そしてその意味とは、深まれば深まるほど、個人的なものになっていく。震災の意味は、一人一人、まったく違う。この点が、交換可能な価値と大きく異なるところである。

その一人一人意味の異なるところを、けれども掘り下げていくさきで、他者に出会う。自分が生まれてきた意味を問い続ければ続けるほど、そこで他者と出会う。このことの説明は、今はちょっと難しくて、保留。

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