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ローレン・グリーンフィールド『GENERATION WEALTH(富の世代)』(KYOTOGRAPHIE2018)

『KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭』は、京都のまちなかのさまざまな会場で実施されている写真展。会場のしつらえも含めて、写真を楽しむことができる。

www.kyotographie.jp

京都新聞本社ビル印刷工場跡(B1F)では、ローレン・グリーンフィールドによる「GENERATION WEALTH(富の世代)」の一連の作品が展示されている。啓蒙という役割を担っていた新聞の印刷所を、世界中の富裕層の暮らしが皮肉を込めた視点で切り取られたグリーンフィールドの写真が飾る。知性は資本主義に敗北したのだろうか。

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小西啓睦による展示がいい。入り口の壁はすべて金色で、工場の中も金色のシートが敷かれ、私たちはその金色の道を踏みしめて歩くことになる。

 

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二年半前に使われなくなった工場は、ところどころに当時の張り紙が残っていて、展示が終わった翌日から、また工場が動き出しそうな雰囲気。

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グリーンフィールドの視線は、過剰に装飾される身体に注がれる。整形、若返り、大人びた子供、子供じみた大人。ピンヒールを履いたファッションモデルは舞台の上で転び、足をひねる。人工的に再生産されるそうしたいびつさが、見ていくうちに工場の雰囲気の中で自然と馴染んでいく。