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1.0から3.0へ、ビジネスモデルキャンバスの進化

オントロジーとしてのビジネスモデルキャンバス

ビジネスモデルキャンバスは、ビジネスモデルを構成する9つの要素を、相互に関連づけながら全体像を描くことができるツールである。ここで重要なことは、場所に意味をもさせている点と、これで全体が表現されている点である。このツールがビジネスモデルオントロジーがベースに作られていることからも、あきらかであろう。

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ビジネスをシステム的に見ていくときに、空間的に捉えようとするのがビジネスモデルキャンバスの特徴である。箇条書きしたときにはみえてこない要素間の関係性が見えてくる。

 

システム思考の導入によるビジネスモデル2.0

ここに動的なシステム思考を導入することにより、時系列の変化を見ることができるようになる。これをビジネスモデルキャンバスver2と捉えている。要素はお互いに関連しあっているだけでなく、因果で結ばれている。

たとえば、研究開発という活動を続ければ知的財産というリソースが増える。営業活動をすれば顧客情報が増える。店舗というチャネルを増やせば、より身近な関係性を構築できる。

こうした時系列での変化パターンを捉えるにはシステム思考が欠かせない。

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自己組織化するビジネスモデル3.0

これだけでは、実は不十分である。システムとして見るだけでなく、自己組織化の運動としてビジネスを捉える必要がある。Amazonは在庫を持たないオンライン書店として生まれたが、いまや巨大な流通システムを抱えるビジネスに成長した。こうした生成(ポイエーシス)の論理をどのように表現するのか。そこにビジネスモデル3.0の課題があろう。

異質なものが出会うことで想定外のものが生み出されていく創発の世界。そうした動的で、自己生成的な世界をどのように表現するのか。ビジネスモデルキャンバスを「二次元」で捉えていては不十分な、複雑な世界がそこにある。