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「生命力」についての雑感、あるいは阿蘇の勉強会の課題レポート

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「生命力」というのは、生命単体の力ではなく、単体の生命を維持するためにつなgる関係性の豊かさによって決まる。このことは自然界をイメージすれば理解しやすいだろう。森の動植物は、豊かな森の環境によって生かされている。いかに力を持ったライオンであっても、そこに豊かな自然がなければ生き延びることはできない。生命力は、関係性の豊かさに依存する。

だから、生まれながらに生命力のある人がいるわけではない。生命力のある人というのは、生命力のある存在として生かされている。生きるということは、常にこうして主語と述語がひっくり返っていく。いつなんどきも、人は生きるのではなく、生かされている。そして生かされている生を、生きる。

そうした豊かな関係性が、〈今ここ〉にフォーカスされて理解されるときには、空間的な広がりが問われる。ある人の発言が大きく影響を与え、波紋が広がっていくとき、空間の中にフラクタルな図像が浮かび上がる。ある振動を与えた水が幾何学模様を描くように。

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その幾何学模様が、世界の自己組織化を促す。世界は弱肉強食ではない。このフラクタルな図像として描かれるひとつの文様である。弱さを地と見れば、強さが図となって浮かび上がるかもしれないが、その地と図は逆にみることもできる。これは生きる、生かされるの逆転と同じことだ。世界はひとつの巨大な文様として理解すべきだ。金剛界曼荼羅はその試みだった。

自己組織化を促すものとして人が存在するとき、そこにあるのは、〈今ここ〉から広がる空間性だけではなく、過去から現在、現在から未来へつながる時間性である。過去から受け継いだものをもって、僕たちは(ジョブズ的に言えば)宇宙に一撃を喰らわせるのであり、そのこぶしは未来からの糸に引っ張られるようにして振り下ろされる。

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