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ビジネスモデルを動的に捉えるためのシステム思考の活用

ビジネスモデルキャンバスは、ビジネスの構造をビジュアライズする優れたツールだと思う。ベースとなったビジネスモデルオントロジーが、まさにオントロジーとして設計されたことからもわかるように、ビジネスモデルの全体と要素を、要素間の関係性も含めて構造化したモデルとなっている。

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ただ、使う上で留意点もある。スタティック(静的)なものとして捉えてしまいがちなのである。

ビジネスモデルを機械論として捉え、自らを設計する主体として捉えてしまうと、ビジネスモデル構築はうまくいかない。これはサッカーに例えれば、ピッチを上空から眺め、しかも時間を止めて選手とボールを動かすようなものである。実際には選手たちは絶えず動き続けているし、視野は上空からではなく、同じピッチ上にある。生命論的な転換が必要になるのである。

その生命論的な転換に活用できる考え方が、システム思考である。システム思考を使ってビジネスをシステムとして捉え、そこで起こっている時系列変化を把握することができる。

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ビジネスモデルの9つのブロックに配置された要素間の関係を、こうしたループの関係として見て取り、そこに自己強化型のループ、バランス型のループを発見してシステム原型を探っていくことが、ビジネスモデルを動的に捉えるヒントになる。

たとえば、有名なジェフ・ベゾスの紙ナプキンメモは、まさにAmazonのビジネスモデルにひそむループを描いたものになっている。

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ビジネスモデル上でどのようなループを描くのか。そしてビジネスというシステムをどのように動的に捉えるのか。ビジネスをオントロジー的に捉えるためには、空間的だけではなく、このように時間的にも把握していく必要があるだろう。