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中国の内在的論理と新しい世界秩序

中国が、現状の秩序を尊重するという意味での「平和的な国家」だという思い込みも怖いけれど、中国がそのまま日本に攻めてくるみたいな短絡的な話も、にわかに信じがたい。真実はどうもその間にある。中国の考えていることが、Togetterにまとまっていました。

togetter.com

まず、中国が侵略(と我々が感じてる)南沙諸島については、中国にとっては侵略などではない。失った領土を「回復」するだけの話で、日本にとっての北方領土と同じような感覚だといいます。

「琉球」がはいってしまうところが怖いけれど、日本列島がはいるわけではないです。つまり、日本と中国がガチで戦争をする危険があるわけではない。ただ、東南アジアの国々も、アメリカも、こうして中国が「失地回復」することを「そうですねー」と黙ってみているわけにはいかない。

中国のこうした動きを制限するためにも、アメリカだけでなく日本も協力していく必要があり、それが今回の安保法制につながったわけです。アメリカと中国は、とくにサイバー空間においては、戦争と呼んでもよいような状態になっている。韓国が中国よりの姿勢を見せている今、日本としてはしっかりアメリカ側であることの姿勢を示してほしいというのが、アメリカの強い強い要望なのだろう。

この核心的利益という表現が重要で、そこに尖閣諸島は今のところ入っているかどうかグレーのよう。日本一国の話であれば、この尖閣諸島さえ取られなければその先の沖縄も大丈夫ということなんだけど、アメリカとしては日本にもう少し広く地域を見てほしいと思っているんですね。

このとき、日本の中にももちろん、中国よりのスタンスを取る人も少なからずいる。中国との関係を重視して多少の「侵略」は許容しつつ、アメリカと中国とを天秤にかけて二国のパワーバランスのなかで生き残るという戦略だ。このあたりは世界観の違いなので、融和することは難しそう。

僕個人としては、世界全体をながめたとき、ウイグルやチベットなどでの「民族浄化」を進める中国が、これ以上その支配地域を増やすのには反対です。

 

ただいずれにしても、日本列島への「侵略」は考えにくい。(いちおう、日米同盟が維持される前提の中で、です。)

 

ということで、中国としてはこういう世界観で世界地図を眺めているということになります。

 

アメリカとの関係強化というのは、国民の生命の安全を守るために不可欠で、なんとしてでも今回法制化しておきたいという安倍首相の考えに、僕は大賛成です。

 

語られざる中国の結末 (PHP新書)

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