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未来が持つ不確定性

この記事の続きです。

 

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たとえば2000万画素が4000万画素にあがったとき、その技術がどこまで価値を持つのかは、実は不明瞭だ。その「価値」とは、未来に実現するものであり、その時点での価値はあくまで予測でしかない。ファイナンス的には現在価値へと割り引く作業を行うが、その根拠となる未来の価値は、やはり予測でしかない。

この予測が不確実になるのは、ひとつには顧客ニーズの変化です。α7R3というカメラは4000万画素を超える高画素で評価されているが、さすがにそこまでいくと不要だというユーザーも多く、α9は上位機種であるにも関わらず2420万画素にとどまっている(シャッタースピードなどのさまざまなトレードオフが理由だが)。この状況では、単純に8000万画素になったときの「価値」は不透明だ。

もうひとつは、競合他社のキャッチアップ。数年はキャッチアップされない技術の価値は高いが、すぐにシャオミゼーションと呼ばれるコモディティ化が進めば、その技術は陳腐化する。特許で守るなどの対策はあるが、それでも不透明であるのには変わりありない。

いずれも、未来という不確定な時間的な要素が絡んでいる。未来が絡んだときに、その取引は沈黙交易に負けず劣らず、不確定なものになってしまう。

未来に対して常に私たちは、「○○であろう」という推論の形式でしか話をすることができない。新規事業においては特にそれが顕著である。

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