LIFEHACK STREET 小山龍介ブログ

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震災の、自分自身にとっての意味を問い続ける

震災から七年がたつ。あのとき、渋谷のCoCo壱番屋でカレーを食べていて、夜からの仕事に備えていた。ちょうど渋谷区長選挙があって、その選挙のお手伝いをしていた時期だった。

他のお客さんは全員外に出ていってしまった。「ビルの外に出ないほうがいい」という知識もあってしばらくカレー屋のカウンターに座って、なんとなく店員さんと目を合わせた。店員さんも同じ意見だったようで、冷静に火を止めた。けれどその日の地震の揺れはあまりに長く、さすがにお店のなかに居続ける状況でもなかった。

カレー屋の入った雑居ビルをでて周りを見渡してみると、ビルがしなっていた。そこから何度も余震があった。建設中だったヒカリエの方へ行くと、てっぺんのアンテナがありえないほど揺れていた。心を落ち着かせようと、羽當でいつものオレグラッセを飲んで、パソコンを開いた。NHKが番組を現場判断で急遽ストリーミング配信していた。津波が小さな車を飲み込んでいく様子を見たのはその時だった。

多くの人がそうだったように、僕はその後、東北にご縁を頂いて、地域の仕事に関わるようになった。あの大きな出来事は、出来事としてひとくくりにできないほどの複雑な出来事だった。ひとりひとりに、それぞれに問われている意味が違う。百人いれば、百通りのナラティブがある。

人がどんなふうに震災を受け止めたか、その受け止め方がけしからん、みたいな批判をする人がいるが、そういう行為にはほとんど興味がない。正しい答え合わせなどなく、単に問われ続けているだけなのだ。

七年たとうとも。

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