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技術を価値に変え、その先の意味を問う

研究所からビジネスモデルの研修を依頼されることが多い。技術のままでは価値にならない。価値に変えるためにビジネスモデルをベースに教えて欲しいという依頼である。

技術は、そのままで技術である。しかし、価値は他者が認めなければ価値にならない。他者のロジックを経て、価値になる。価値は、他者への相互の交通があって初めて、価値として認められる。わかりやすいのが、代金である。技術にお金が払われるとき、その金額だけの価値があるという証明になる。しかし、本来、価値はそれほど客観的なものではない。

相手にどのような価値があるのかは、わからない。原初の沈黙貿易では、川や港など、他者との緩衝地帯にものを置き、相手はそれを受け取り、対価となる別のものを置いた。その価値は自明ではなかった。たとえば、初めてみるような果物を受け取り、初めて見るが故にその価値がよくわからない中で、対価となるものを置いた。

現代は、その沈黙外交よりはずいぶん進んだ。事前にコミュニケーションが行われ、それは営業と呼ばれたり、マーケティングと呼ばれるようになった。ただ、本質的には変わっていない。最初の最初、価値は不明瞭なのである。だからこそ、その価値をかたち作る作業。ビジネスモデルも含めた価値のデザインが必要となるのである。

そのうえで、その技術がどのような意味を持つのか(個人的に、会社的に、社会的に、そして地球的に)ということを問うことになるのだけど、それはまた別の機会に。

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