起業は受動的である
ご縁があって、郡山でビジネスモデルブラッシュアップ講座を実施している。
- 「既成概念にとらわれない発想力を身につけよう!」
- 「ワールドカフェ手法による共創を体験しよう!」
- 「バリュープロポジション・キャンバスを描いてみよう!」
- 「ビジネスモデルをデザインしよう!」
- 「ビジネスモデルプレゼンテーション」
第一回は即興(インプロビゼーション)を使った発想力トレーニング。相手と自分との〈あいだ〉にアイデアが生まれるイメージを掴んでもらった。
今日は実は二回目。今回はワールドカフェ手法を使って、場からアイデアが共創される体験をする。co-ba郡山の雰囲気も、この共創を促進してくれるだろう。
起業というのは、当然ながら主体性が問われる。言われてやるようなものではない。一方で、「我よし」ではできない。顧客や市場はもちろん、近江商人のいうような世間にとってもよい事業でなければ永続しない。そこに必要なのは、自己中心的な自我ではなく、真の自己である。
西田はその真の自己を「我ならずして我なり」と表現した。「我ならず」と自我を拭い去った上で、あらためて「我」と宣言する。このワークショップでも、ワールドカフェという「我ならず」のプロセスで新事業の領域を抽出して、そのうえでその領域を主体的に引き受ける第二段階の「我」を発揮する。
これは、本来、(自分の意志で生まれたわけではないという意味で)受動的であるこの生を、自分の人生として引き受けていくありかたにもつながっていく。起業もまた、受動的である。とくに社会起業の分野になればなるほど、まわりから求められて、自分の意思とは関係なく起業へと促される。その受動的な起業を主体的に引き受けるのが、「我ならずして我」の起業であり、今回のワークショップでもそういうプロセスを組み込んでいる。