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星野リゾートのビジネスモデルイノベーション

 

星野リゾートは、軽井沢の「星のや」を始めとした長期滞在型の旅館を成功させ、その後、旅館の再生事業へと展開を進めています。

特に2005年のゴールドマンサックスとの提携により、旅館の所有と運営を分離したことで、事業展開のスピードが加速しました。最近では、REIT(不動産投資信託)も始めています。

従来、旅館といえば、所有者がそのまま運営を行っていました。しかし、所有者が必ずしも運営に秀でているとは限りません。そこで、投資家を募って所有をしてもらい、星野リゾートが運営に特化することで、旅館を投資対象に変えていきました。

星野リゾートのビジネスモデルキャンバスを書くとすると、こんな感じでしょうか?

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ただし、この成功にも制約条件があります。それが人材リソースの問題です。サンケイビズの記事にこんな指摘がされています。

 

ただ急拡大に、「運営やサービスの質の低下が起き始めている」(金融コンサルタント)との指摘も出てきた。星野リゾートが運営する全国34施設のうち、自社保有の物件は約半分で、残りは第三者が保有し運営だけを星野が手がけている。各施設とも上質なサービスが売り物とあって、人材確保と育成が最大の課題となっている。

星野リゾート急成長の死角 「おもてなし」維持には人材確保が課題 (3/3ページ) - SankeiBiz(サンケイビズ)

 どんな事業においても、こうした制約条件が存在します。人材は一朝一夕には育ちません。(しかし、だからこそ、有効な差別化の要素になるのだとも言えます。)

今後、星野リゾートが成長を続けるためには、人材を育成するための人材の育成が欠かせないですし、すでにそうした取り組みはずいぶん進んでいるんじゃないかと思います。

そうすると、ビジネスモデルキャンバスのリソースの部分には、「人を育てるノウハウ」というのが加わりますし、主要活動にも「人材育成」が加わります。

ビジネスモデルというのはスタティック(静的)なものではなく、事業の段階、プロセスに応じて変化をしていきます。星野リゾートの展開はその一例でしょう。