LIFEHACK STREET 小山龍介ブログ

小山龍介公式ブログ

バックキャストで既成概念の枠を破る

企画やアイデアを考えるときに、一番の障害となるのが実は自分自身の持っている思い込みです。「◯◯は□□であるべき」という強固な思い込みがあると、その思い込みの外にあるアイデアが思いつきません。

過去の強烈な成功体験がある人ほど、次の時代の新しい事業を思いつけないですし、同じ業界に長くいればいるほど、その業界のしがらみから逃れられなくなってしまうのです。英語の言い回しでは、独創的な発想のことをout of boxといいます。箱から飛び出すことが重要なのです。

多くの人は、今の時点から未来を「予想」しようとします。これをフォアキャストと言います。現在の常識から先を見通そうとするので、現在から想定されないようなできごとは視野に入りません。今まで成功していたビジネスがそのまま成功し続ける前提でものごとを考えてしまいます。

たとえば、コダックという会社は、写真用フィルム事業があまりに成功しすぎて、デジタルカメラのインパクトを過小評価していました。フォアキャストの限界がそこにあります。前提を疑うことができず、思い込みが拭えないのです。

そういう思い込みを外す方法が、未来からのバックキャスト(逆算)です。50年後の世界がどのようになっているかということを考えるためには、今の常識にとらわれない発想が必要となります。そしてその非常識な未来からバックキャストすることによって、思いもよらない商品が生まれるのです。

今から50年前には携帯電話もインターネットもなく、仮想現実もAIもありませんでした。カラーテレビ、マイカー、クーラーが三種の神器としてもてはやされた時代です。その時代から見た現代を考えると、今から50年後はいったいどんな世界なのでしょうか。

その未来を強烈にイメージしているのが、イーロン・マスクです。彼は人類を火星に移住させ、100万人規模の都市を構築しようとしています。スペースXでは、そのために再利用可能となるような着陸できるロケットを実験しています。こんなロケットは、現在のロケット用途からフォアキャストしてもでてこないでしょう。そうではなく、50年後に火星に人類が次々と移住している未来を想像し、そこからバックキャストしているからこそ生まれるアイデアなのです。

f:id:ryu2net:20180513212759p:plain

これは企業に限りません。個人の人生であっても、未来からのバックキャスト思考で生きている人は、思いもよらない大きな成果をあげます。孫正義は、まだ小さな会社だったころに「売上を豆腐のように(一兆二兆と)数える会社にする」と宣言して行動しました。スティーブ・ジョブズはカリグラフィーの授業がMacintoshの美しいフォントに結実したことを例に、点が線でつながるようにして、今やっていることが将来つながっていくのだと語りました。いずれも、未来を確信しているからこそ、迷いなく今の仕事、今の勉強に打ち込めるわけです。

今の自分のもっている実力や資源からフォアキャストで考えたら、とてもそんな大胆な発想はできません。想定外の未来からバックキャストすればこそ、なのです。

 

【告知】

新刊の予約が始まりました!よかったらぜひ!  

仕事のスピードを上げながら質を高める 最強のライフハック100

仕事のスピードを上げながら質を高める 最強のライフハック100

 

 

 

f:id:ryu2net:20180513130013j:image