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ビジネススクールの入学資格

今日は、名古屋商科大学ビジネススクールの入試で面接。おかげさまで入学希望者も多く、年々、コンペティティブに。学生を集めるのに苦労しているビジネススクールが多い中で、本当にありがたい。(注:これから書くことは、個々の受験生の面接内容とはまったく関係なく、徒然に記すものである。)

MBA受験、それもエッセイや面接で重要なことは、まず、その人がビジネススクールを受ける必然性を説得力持って伝えることにある。「興味があったから」とか「暇だから」とかでは当然、難しい。名古屋商科大学は特に、受講者の3割が卒業単位を認められない仕組みになっており、中途半端な気持ちで入学しても、卒業はおろか、単位取得もままならない。

それで、多くの人が、業務上の役割が変わりマネジメントの知識が必要になってきたという理由をあげるんですが、それはあくまで半径5メートルの話でしかない。スキルが必要だから、スキルを学ぶ。これだけであれば、セミナーや研修で十分だ。ビジネススクールではもう少し射程の長い話が必要になってくる。

ひとつは、その人の未来である。将来どのようなキャリアを築いていきたいのか。10年後はどうか、30年後はどうか。その将来から振り返って(バックキャストして)今MBAを取る理由は何か。そこを言語化してほしい。今ここの決断を、未来を経由して意味づけてほしいということ。

もうひとつは、その人の存在している空間である。半径5メートルではなく、世界の中の存在としての自分を見つめなおして、なにをすべきか認識し、それを自分の人生の課題として引き受ける。自分と直接関係のないことを引き受ける覚悟がなければ、と思う。遠くにいる他人を、「自分とは関係のない他人」として切り捨てるのではなく、自分と地続きの存在として捉える。ときにはライバルや敵も、そしてまったく関係のない人をも想定して、そうした他者を経由して自分を意味づけるということ。

そういう時間的空間的な意味づけによって、人は生かされている。これが社会であり、社会人学生を受け入れるビジネススクールへの入学資格だと思う。

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