LIFEHACK STREET 小山龍介ブログ

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真因にたどり着いているか

山形大学工学部でのワークショップの中で、米沢市のもつ問題の再定義を行った。これが示唆的だったので共有したい。

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地域課題はさまざまあるが、表面に見えている「問題」は、実際には問題のあくまで表層に過ぎず、その真因がある。

今回、

・米沢市に若者が定着しない

・中心市街地に活気がない

・観光の宿泊数が伸びない

という三つの課題を市役所の方から提示していただき、その真因を探ってみた。そのホワイトボードがこれ。

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まず学生に考えてもらったところ、たとえば若者の定着の問題については、「米沢市の魅力が若者に伝わっていない」という再定義が行われた。

しかしこの再定義が真因であるようには、どうも思えない。それは、再定義された問題が解決された状態(ゴール)を設定してみるとわかる。「米沢市の魅力が若者に伝わっている状態」となれば本当に定着するのか。実際、学生たちに米沢市の魅力を知ったら定住するかと聞いたら、「No.」であった。

つまり、これは真因ではないのである。そのあとディスカッションをしていく中で、根本的な原因は「米沢ならではの特色ある仕事がない」ことが問題であるという再定義ができた。ゴール設定をすると「米沢ならではの特色ある仕事がある状態」となる。これであれば、一定の若者が米沢に定着するであろうことは、容易に推測できる。

仮に、当初の「魅力が伝わっていないことが問題」という課題設定で課題解決を進めていくと、問題は一向に解決しないだろう。そうではなく、特色ある仕事をつくるような取り組みこそが、(一見、遠回りに見えるものの)本質的な問題解決につながるのである。