会田誠さんの作品は、クレームによって「完成」した
会田誠の作品「檄」に改変が要請されているそう。
もちろん僕は、展示にはまったく問題ないという立場です。
その政治的なメッセージに、「やっぱり公共の場ではだめなんじゃないか」と思う人も多いと思うけど、会田誠のこのコメントを読めば納得できるんじゃないだろうか。全体に漂うユーモアがこの作品を支えています。
しかし一方で、もし担当者だったら、これは難儀だなーと。この作品は、ユーモアを理解できない人の癪に触るような作りになっている。これはわざとだし、ある意味、確信犯だと思います。こういう騒ぎになることも、織り込み済みのはずです。
僕なんかは「だからアートだよなあ」と思うし、逆にもしひとつにしか解釈されない作品だったらアートとして成立しないと思う。けれどそんな多義性が許されない世界では、なかなか理解されないと思う。
ひとりのクレームが理由とあるけれど、そのクレームをした人との共創によって、ある種、社会的作品として「完成」したのだと思いますね。