LIFEHACK STREET 小山龍介ブログ

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即興性を生み出す源としての「型」

即興的になにかを生み出すということは、その場に起こる偶然を生かすということでもある。能の佐野登先生の高校でのワークショップを見学させてもらったけれど、そこでは教える相手の雰囲気などで即興的にプログラムが変化していく。

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中学・高校での能のワークショップ

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先生の仕舞で終了しました

 

こうした即興ができるというのは、決して自由だからできるのではない。その場でどのような振る舞いが適切であるかという制約に常にしばられている。私自身、能に出演してみてわかったことは、そこにあるのは適切なやり方であり、その適切なやり方を実際に行うための多くの禁忌であった。

「やってはいけないこと」を身体的に認識させておくことによって、こうした即興が可能になる。それはたとえば、どこまでいけばラインアウトするか認識できているからこそ、サッカー選手がライン際のプレーが可能になるのと似ている。

こうしたいわば拘束条件があるからこそ、そこに運動性が生まれ、即興性が生じてくるのだということだろうと思う。その拘束条件として「型」は効果を発揮する。「型」は即興性を殺すのではなく、即興性を生み出す源(ソース)になっている。