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&TOKYOが生まれる背景に陰謀なんてない、ただの構造的問題

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東京をブランディングする「&TOKYO」が発表されて……。andtokyo.jp

 

でさっそく、これです。

mona-news.com

 

まあ、今回のはパクリと呼ぶにしてはあまりに一般的すぎる「&」なので、逆にこの線でツッコミを入れるのは、さすがに厳しい。海外企業で「&CO」なんて名前は当たり前すぎて、そりゃどこかでかぶるに決まっている。

でも、もうひとつのツッコミどころのほうが、僕は深刻だと思う。なにせ「&」である。もうちょっとましなコンセプトはなかったのか。&SYDNEYだって&BEIJINGだって成立してしまうこの「なげやり」なブランディング。

しかも、なんというか東京や東アジアの混沌を説明するのに「&」はどうも不適切な感じもしてしまう。加えてないだろ、融合させてるだろうと思うわけで、「&」みたいな加えた感じゃない。しかも加えているものがこれですよ。

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TOKYOという場所で「つながる」、というのであれば、「&」じゃない別のコンセプトが合ったと思う。

それで、このコンセプト自体の切れのなさみたいなところで批判されるべきなのは、作った博報堂もそりゃそうなんだけど、こういうものしか通せない感じの空気と、その空気に抵抗する気力をもたない発注側じゃないでしょうか。もう、そういうものにガッカリするんです。壊そうというエネルギーが、もはや東京にはないという否定しがたい証拠のように思えてしまう。

その意味では、東京オリンピックの佐野研二郎さんのエンブレムなんて、かなり攻めてたから。和のイメージとか、祝祭のイメージだけでない、先進技術をリードする日本みたいなものをちゃんと表現していて、「みんなで仲良くのオリンピックにしてはすごい」って思えた。だから、今でもあのエンブレムで良かったのに、って思う。

だから、そのこともあって「&TOKYO」にはちょっとがっかりした。優等生の回答ではあるんですけどね。