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オカムラのオープンイノベーションビオトープのもつ3つの可能性

5/25に登壇することになった「SEA DAY 00」。ここでは、岡村製作所が立ち上げたオープンイノベーションビオトープ「Sea」を会場に、これからのイノベーションのあり方を発見していくことになる。

ビオトープとは生物群集の生息空間を示す言葉。単一ではなく、多様な生物がその空間で、お互いに関係し合いながら〈いのち〉のはたらきを生み出す空間である。

1)違ったままでいい、違ったままがいい

この空間に特徴的なことが3つある。ひとつは、生物の多様性である。

従来のビジネス空間は、企業のビジョンを共有するという目的のもと、社員の多様性よりも単一性という志向をもっていた。異なる専門性を持った人が集まっていても、ビジネスの場ではある種の方向性を共有することになる。清水博士先生がボゾン粒子を例に出すように、粒子がレーザー光線のように同化していくようにして、違いがなくなっていく。同じ状態へと無限の粒子が入っていけるのである。

もちろんそうしたはたらきも重要ではあるけれど、このビオトープでは異なる生物が異なったまま、関係性を築いていくところに特徴がある。いや、その役割に入れる生物はひとつだけであり、それぞれの生物の役割が異なっていなければならないと言った方がいい。同じ役割は2つと要らない。フェルミ粒子的なのである。

2)失敗が糧になる、失敗で豊かになる

ビオトープが維持されていくとき、そこで栄養素となっているのは、植物が朽ちた腐葉土であったり、生物の死骸であったりする。死が次の生へとつながっていく。失敗すればするほど、その生息空間は豊かになり、新しい生命を生み出していくことになる。これをビジネスにたとえるならば、失敗が隠蔽されるのではなく、むしろ次の成功への糧として利用されていくということになる。

死を活かす空間とはなんだろうか。失敗を活かす空間とはなんだろうか。生きた痕跡が残る空間とはなんだろうか。失敗の痕跡が残る空間とはなんだろうか。オープンイノベーションビオトープのコンセプトには、こうした問いが内在している。

3)循環が起こっている、円環が形成されている

ビオトープは、日々変化しながらも、しかし安定的である。一種類の動植物が過剰に繁殖して生態系を壊してしまったらビオトープは成立しない。生成消滅しながら、〈場〉が維持されていく。個の生物の命の円環と、さらにビオトープ全体の〈いのち〉の円環が存在している。その円環が組織化されていくきっかけとなるのが、清水博先生のいう〈与贈循環〉にある。〈場〉に与贈することにより、そこから関係性が生まれ、自己組織化が始まる。

ビジネスでいえば、たとえば提案はまさにクライアント企業への与贈であり、その与贈からプロジェクトが生まれ、新しい事業が立ち上がっていくことになる。ビオトープに関わる人、組織がどのような与贈ができるのか。与贈する余地がどのように設計されるのか。〈与贈循環〉にこそ、ビオトープのビオトープたるゆえんがある。

 

80名限定ということで、興味がある方はお早めに!

 

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sea.okamura.jp