LIFEHACK STREET 小山龍介ブログ

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調和を作るための右脳と左脳のバランス

――小山さんはすごく論理的な考え方をお持ちだと思います。そこに、右脳的な部分をうまくブレンドされているような気がします。どちらかというと、もともと左脳優位で、そこに右脳的な発想を、後天的に学ばれたのですか?

たぶんそうだと思いますね。左脳優位で、右脳の部分を加えていった。ただ、左脳的な子どもっていないんじゃないかな、と思います。かなり右脳優位、というよりも、どちらかというと、大脳辺縁系寄り。だから左脳という以前よりも、もっと動物の本能的なところがあるなかで、成長していくにつれて、大脳皮質と呼ばれる抽象的な思考を司るところが発達し、使えるようになる。言葉も出てくるようになるし、計算もできるようになる。その中で左脳と右脳の違いが顕著にでてくる。そんな感じかな、と思います。


ヒット商品を作ったり、新規事業を立ち上げたりということは、左脳だけでは絶対にできない。今までにないものを作る時は、どうしてもアート思考(右脳的)が必要です。

サイエンスは基本的に再現性を求めるわけで、つねに過去を参照していくんですが、アート思考は、過去にやったことを二度やっても全く意味がない。アートというのは常に新しいものを作ろうという思考なんです。実はベクトルが逆方向。そういった意味で、過去を参照するサイエンス思考と同時に、今まで起こったことのないことを起こしていくアート思考が必要。

そう考えた時に、例えば原発の事故の場合、もしアート思考を持った人があのことを考えていたら、当然事故が起こりうるという想定もするだろうし、もしくはそういう時の振るまいが違うと思う。サイエンス系の人は「起こり得ない」という前提をどうしても捨てきれないんです。

――ビジネスモデル・ジェネレーションのキャンバス自体はサイエンス寄りと言っていいのでしょうか。

「拡散」「収束」で言うと、ビジネスモデル・キャンバスは整備をするためのものなので、「収束」のツールなんです。出てきたさまざまなアイデアを関連づけて考えていくためのもの。

ただ、ツール自体は9つのブロック間の関係性を見ていくので、非常にアーティスティックな感性が必要です。つまり、調和というものを見なくてはいけない。ロジカル・シンキングで調和は見ないですよね。

論理、筋が通っているかどうかだけです。人は、9つのブロックを1ページに見せられた時に、バランスがいいか、だとか、全体として矛盾がないか、だとか見ます。

そういう意味では、グラフィックデザインって、ちょっとフォントの大きさを変えただけでバランスが崩れたりしますよね。そういう風に、ひとつのブロックの何か要素が変だ、ということに一瞬でぱっと気づくんです。そういった意味ではすごくデザイン的な感覚が必要となるデザインツールですね。

――日本人って、基本的にはそういう考え方をしますよね。今聞いていても、無意識のうちにやっているかな、という感覚になるんですけれもど、海外の人はどちらかというとロジカルな方が優位で、あまりアーティスティックな考え方がないということはありますか。

必ずしもそうではないと思いますけれど、ただアートの考え方の中の多様性についての態度がちょっと違いますね。一神教だからでしょうか、全部のルールというのが決まっていて、「デザインの究極のルールがある」というような仮説を立てるんです。

ところが日本の場合は、究極のルールというものではなくて、調和を作るためのメソッドがあると考える。生け花でいうと、天地人など、角度、長さなどのスタイルがあるんですが、実際にはそれをやれば大丈夫、ということではなくて、それを使っていかに調和を作っていくか。そこに注目するんです。

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小山龍介の『ライフハック・ストリート』 | The Book Project 夜間飛行

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