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技術に裏付けられた普及版をつくる

クリステンセン教授が日経新聞のインタビューに答えてこんなことを言っている。

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――日本復活の条件を教えてください。

 「日本の大企業が新たな成長の機会をつくるには、シンプルで誰もが買える製品を開発するという原点に立ち戻るべきだ。かつてソニーが携帯ラジオの開発で市場を開拓したのと同じだ」

 「投資の収益性を既存事業とは異なる尺度で測ることが重要だ。大企業の経営者が、利益を生む既存事業とは切り離した部門をつくる柔軟さがあれば成功できる」

「日本は原点に戻れ」クリステンセン教授 :日本経済新聞

高機能、高性能を追求するのではなく、手に取れる廉価版の製品を生み出し、広く普及させていく「破壊的イノベーション」を目指すべきだということだろう。

今の時代的には、さらにここにネットワーク機能を加える必要があるだろう。安価な省電力Bluetoothを搭載、スマホなどに連携していく。理想的には、ユーザーが増えれば増えるほど利便性が増す、いわゆるネットワークの外部性をデザインできれば言うことがない。

プラットフォームとして機能すれば、それは単なる安売りとは別の次元の商品となる。デバイスを普及させ、プラットフォームで稼ぐやりかたは、プレイステーションなどのゲーム機も同様だ。ゲーム機は発売当初、赤字で提供されるが、誰もそれを「安売り」と批判することはないだろう。

高付加価値製品を高価格で、というのではなく、ネットワーク機能製品を低価格で展開するところに、活路があると思う。

そして、重要なことは、こうした事業は、既存事業の組織とは別に、切り離した部門が担当しなければならない。既存事業とカニバライゼーションするからだ。