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石巻でのEyes for Future by ランコムでワークショップで発見した地域の課題

今日は、ランコムさんの提供によるEyes for Futureプログラムで、女性起業家支援のためのワークショップを行いました。2014年に引き続き、講座を担当させていただきました。

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参加者はもちろん全員女性。しかも起業を目指している方々。美容関係や飲食関係、ハンドメイドなどのものづくりなど、業種もさまざまです。

 

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こういうワークショップでは、かならず損益分岐点売上高の計算まで行います。コスト感覚が身についていないと、どうしてもビジネスモデルが重たくなりすぎて、収益化が難しくなるからです。具体的に、「一ヶ月300人」のような損益分岐点顧客数を出していくと、「難しいな―」という声が参加者から漏れてきます。

経営とは矛盾のマネジメントです。最初からスッキリ答えがでたら何の苦労もないです。コストを下げながら収益を上げるという矛盾した命題に答えるのが、経営なんですよね。

地方においては、確かに地代家賃は東京に比べれば安上がりですが、(それほど複雑な労働でなければ)人件費はそれほど大きな違いがありません。自分自身も含め、人件費という固定費をどうまかなっていくかというのが、大きな壁になるようです。(都市部であれば顧客回転率で対処できても、地域だとそこまでのマーケットがなく、固定費分の収益が確保できません。)

昔は、畑でとれた野菜やおすそわけで生活費を安くすませることができた地域のメリットがありました。しかし今は、そうした贈与経済が、等価交換による経済に取って代わられてしまいました。いわゆる里山資本主義が生きている地域はいいですが、そうでない地域においては、この、都市部とさほど変わらない人件費が重くなってくるのです。

こうしたなか、里山資本主義をもう一度見直すという方向もありますが、正直なところ、たとえば石巻のような都市化した町でそれができるようには思いません。この課題にどう対処するか、答えはひとつではなく、それぞれに知恵を絞らなくてはならないと、あらためて実感しました。