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Amazon vs. 取次の戦いは、Amazonに軍配があがる

特定の出版社から、Amazonが直接、書籍を調達する動きがある。

biz-journal.jp

記事の中でも触れられているけれど、誰にとって価値をもたらすのかという視点で評価すれば、これは出版社というより、Amazonにとって大きな意味があるように見える。

そもそも差別化が機能するには、以下の3つの要素が必要である。

(1)顧客に「有意差」を感じさせること
(2)簡単に真似されない差別化を実現すること
(3)次から次へと差別化を実現すること

(中略)

 今回の施策をKADOKAWA側からみると、差別化として機能するかどうかはまだ判断できないが、アマゾン側からみると、取次をコントロールしながら自社に優位な取引を拡大していく意味のある施策になるといえるだろう。 

取次という仕組みは、たしかに地方まで小さな書店を展開するのには効果的だったかもしれないが、これだけ物流インフラが整った今では、わざわざ地元の書店に本を配本しなくても、Amazonで注文しそのつど届けて問題がなくなってしまう。セブンイレブンなどのコンビニが書店の代わりをするという流れもあるけれど、セレクションを揃えられるかという点では、Amazonにかなわない。

旧来の仕組みが制度疲労を起こしている中で、現在のインフラにおいてより適切な回答を示しているAmazonに、やはり軍配が上がりそうな気がする。これからAmazonがそのバイイングパワーを活かして、多くの出版社と直接取引を始めるだろう。